【けものフレンズ】たつき監督降板騒動についてのコメント返信
前回の記事について、たくさんの反響ありがとうございます。
更新が遅くなり申し訳ありませんでした・・だいたい各クール前は鬼のような忙しさです。。
さて、今日の記事ではいただいたコメントに返信していきます。
なお、私はけものフレンズのすべてを知っているわけではなく、
一般公開されている情報でもフォローできていないものが多分にあると思います。
少ない情報をもとにして原則・通例を語っているだけですので、
この文章のすべてが正しいor間違っているという視点ではなく、
複合的な情報から実態はどうなのかを考えるきっかけにしていただければと思います。
>ななしさん
ばすてきが自主製作じゃないなら吉崎観音さんの発言とどう整合性をとる気なんだこの文章...
吉崎先生の発言とは下記のことでしょうか?
最後の打ち合わせで、終わった後も自由に作っていいですよって言ったらたつき監督の目がキラーンってした気がしてたんだけど…まさか!
— 吉崎 観音 (@yosRRX) 2017年4月4日
もしそうだとして話を進めますが、これも非常にわかりにくいので解説をしてみます。
まず吉崎先生の立ち位置ですが、みなさんよく御存じのように原作者です。
ただ、アニメのクレジットでは「コンセプトデザイン」となっています。
これはどういうことかというと、けものフレンズという概念の原作者・生みの親=吉崎先生ということですが、
それをもとにアニメ化するプロジェクト「けものフレンズ」では原作権を委員会各社がにぎる、という構造です。
つまり吉崎先生は「けものフレンズ」というコンセプトの生みの親であっても、
アニメ映像の原作者ではないのです。
というわけで、吉崎先生の許可があったとしても、
委員会の出資金で作られた映像・その他完成映像前の素材(通常は絵コンテ・原盤・ロゴなど、今回はおそらく動画コンテとか3Dモデルなども含まれます)をたつき監督が勝手に使用することとは話が別なのです。
>ななしさん
「外側がしっかりしている会社」とやらだとあんな素晴らしい作品はできなかっただろう。今の日本で傑作ができないのは官僚主義的で生産性のない「外側」に縛られているためだとよく分かった。
傾向としてはおっしゃる通りです。
外側の管理ができる人はクリエイターよりの話がからっきしだったりします。
たまに両方できるスーパーマンもいますけど稀ですね・・
>よしさん
確かにKADOKAWAの発表にある通り、ヤオヨロズが委員会への情報共有をしたくないがためだけにけものフレンズの制作を下りる、というのはバランスがとれておらず疑問ですよね。共有くらいすりゃいいじゃんと思います。
ただ、対立の理由についてはさまざまあるので推測の域をでませんが、
個人的にはけものフレンズがこれほど売れてしまったがために、
委員会各社の映像への要望が非常に多くなってしまうことが見込まれ、自由に作りることができない、ということなのかと思います。
たとえば、「SHIROBAKO」の14話を見てもらうと非常にわかりやすいのですが、
キャスティングだけとっても各社の思惑がぶつかり合い、議論が進まないということは本来ありえます。(現実にはそんなにありませんが、、)
けものフレンズはこれだけお客さんの心をつかんでしまったので、
2期を作る際に委員会各社はここぞとばかりに各社の要望を入れるよう要求してくるでしょう。
これは委員会側の企業からすれば、あたった委員会へ投資していたことの当然のリターンなのですが、
お客さんやクリエイターからすれば商業主義に映ります。
こうした要望は往々にして作品の質を落とすことが多く、
けものフレンズをほとんど自分たちが作り上げたヤオヨロズは、不純物を入れるよう迫られてうまく消化できなかったのかもしれません。
>藍麦さん
そうだったのですね、それは失礼しました。
許諾元が委員会出資をしていないドワンゴというのが気になりますが、それでは別の映像のことかもしれませんね。
>ななしさん
著作権法上許諾を含め各種権利の行使には権利者(この例の場合製作委員会参加企業)全員の合意が必要
吉崎一人がOK出したところで法的には何の意味もない
おっしゃる通りです。
>ななしさん
お話の展開はそれらしいと感じましたが、情報ソースとして冒頭からWikipediaを持ってきてらっしゃるのが…。
業界関係者を匂わせたお話をされるなら、Wikipediaが根拠というのは流石にいかがなものかと。固有名詞だけなので一次情報と相違はないとは思いますけども。
すみません、おっしゃる通りです笑
疲れていたので楽をしてしまいました。一次情報にあたるべきですね。
>ななしさん
ばすてきは収録後に声優にちょっと残ってもらって、その後に作ったもので、作った経緯も当時説明されてたはず。
それに問題というなら今もなお動画が残ってるのはおかしいのでは?
アニメ制作にかかる費用が委員会から出ている以上、その制作物・納品物はすべて委員会に権利があるんですよ。
むしろおかしいのはその成果物がけものフレンズ公式ではなく、
ヤオヨロズのチャンネルで配信されていることです。
>ななしさん
確かにそうですね、なにかしら公式情報が出ればそれを盛り込んで更新します。
KADOKAWAと何かあった可能性はもちろんあると思います。
>むーたろさん
そうなんですね、なにがもめているものなのかは外側からはわからないので、あくまで推測になりますね。
>ななしさん
お前カドカワから金もらってるだろ
えーもらってない証明ができないのでコメントできませんが、
普通の企業だったらお金を使うためには予算と稟議が必要で、
炎上したからと言って翌日に金をばらまいて火消し、みたいなことはできないわけです。
特にKADOKAWAは大企業なので、稟議は非常に遅いと聞いたことがあります。
>あーぞーさん
2期の決定自体は、製作費があつまればありえます。
そして、プロモーション的にはプロジェクトの話題が尽きないうちに続編の発表をすることは非常に大事です。
通常のアニメの場合、委員会が最初にすべきは制作会社のライン確保(アニメーターも含めた制作チームの手配)ですが、
けものフレンズはヤオヨロズはかなり小規模で小回りも利く組織なので、
調整が完全にされないまま発表に踏み切ってしまったのかな、と考えます。
>ヨッチさん
そうですね、私もその行間の部分は考察できていません。
(この記事に憶測は書きましたが)
その理由としては、私は内部の人間でもなんでもないので、個別の対立の原因などはわかりようがないためです。
私がお伝えしたかったのはあくまで原則的な仕組みの部分でして、
KADOKAWAを親の仇のように見る視点があふれるインターネット上に、
少し冷静に考えてみましょうよ、という提案ができればと考えた次第です。
>あしさん
なるほど、契約書に書かれていない情報をよこせと言われたら抵抗があるでしょうね。
ただ、委員会と制作会社の発注契約書ってKADOKAWAほどのコンテンツホルダーであれば毎クールいくつも結んでいるので、
ある程度使い回しになっているんですよね。
たいていの場合、何度も書いているように制作物はすべて納品しろ、というのが原則なので、
そういった契約になっている可能性のほうが高いと思いますが。。
もちろんけものフレンズの契約書は特殊なのかもしれませんので、
あくまで可能性の話です。
>だいすけさん
冷静なコメントありがとうございます。
それだけ作品のファンが熱狂的だということで、今後のアニメ業界にとってはうれしくもあり難しくもありですね。。